事務職は多くの業界で求められる職種です。
その仕事内容は様々です。
そんな事務職に転職する際、資格があると転職を有利に進めることができます。
どの資格が自分のキャリアに有利にはたらくのか、またその資格をどのように取得すれば良いのかをこの記事で解説します。
事務職に転職するためにおススメの資格、取得方法、そして資格がなくても事務職に就くために必要なスキルや知識について解説します。
事務職への転職に必要な資格とその取得方法
事務職への転職を考えている方のなかには、転職に有利になる資格取得を考えている方もしるのではないでしょうか？
資格を取得することは、職場での即戦力となるだけでなく、転職活動において履歴書や職務経歴書のアピールポイントとしても大きな役割を果たします。
1. どんな資格が存在しているのか
事務職向けには、様々な資格があり、それぞれが職場での特定のスキルや知識を証明します。代表的な資格には、以下のものがあります：
- マイクロソフトオフィススペシャリスト（MOS）：Microsoft Office製品（Word、Excel、PowerPointなど）の高度な使用スキルを証明します。
オフィス環境で求められる基本的なソフトウェア操作能力を示すため、広範囲にわたる事務職で有利に作用します。 - 日商簿記検定：会計および財務に関する専門知識を証明します。経理職や財務部門での仕事を目指す人には特に推奨されます。
- 秘書検定：高度な組織力、コミュニケーション能力、ビジネスマナーなど、秘書として求められるスキルセットを証明します。
- ビジネス文書検定：効果的なビジネス文書の作成能力を証明します。
報告書、提案書、メールなど、プロフェッショナルな文書コミュニケーション能力が求められる職場で有利です。
これらは事務職への転職活動の際、強みになります。
2. 資格の取得方法と学習スケジュール
資格取得には大きく分けて、専門学校や研修コースへの参加、または独学での学習があります。どちらの方法を選択するかは、個人の学習スタイルや時間、予算によります。
- 専門学校や研修コース：指導教員からの直接指導を受けられるため、学習効率が良く、短期間での資格取得が可能な場合が多いです。また、資格試験に特化したカリキュラムが用意されていることが一般的です。
- 独学：自分のペースで学習できるため、忙しい人や予算に限りがある人に適しています。オンラインコースや参考書を利用することが多いですが、自己管理能力が求められます。
学習スケジュールは資格によって異なりますが、MOSのような基本的な資格は数週間から数ヶ月、日商簿記検定のような専門知識を要する資格は数ヶ月から1年程度の準備期間が必要とされます。
- 資格取得に必要な勉強時間と難易度
資格によって必要な勉強時間と難易度は異なりますが、一般的には、基本的な操作や知識を問う資格は短期間で取得が可能です。
一方で、専門的な知識や技能を要する資格は、より多くの時間と努力を要求されます。
初級レベルの資格から始めて徐々に上級レベルへと挑戦し、自身のスキルを段階的に伸ばしていくことがおすすめです。
2-1. MOS（マイクロソフトオフィススペシャリスト）とは？
MOSは、マイクロソフトオフィス製品（Word、Excel、PowerPointなど）の高度な操作スキルを証明する資格です。
事務職では日常的にこれらのソフトウェア（Word、Excel、PowerPointなど）のが使用されるため、MOSを持っていると効率的な文書作成やデータ分析能力があると評価されます。
MOS試験は合格率が公表されていないため正確にはわかりませんが、Word・Excelのスペシャリストは一般レベルなので、普段からOfficeに触れて業務で利用している方なら比較的簡単に資格取得が可能といわれています。
勉強時間は受験する科目、もともとのスキルにもよって変わってきますが、目安としては以下のとおりです。
Excelスペシャリストレベル（一般）
基本操作にも不安がある方 :約80時間
学校などで習ったことがある方 :約60時間
会社の業務で使ったことがある方:約40時間
普段から業務に利用している方 :約20時間以下
2-2. 日商簿記検定とビジネス文書検定の概要
日商簿記検定は、経理や会計に関する基本的な知識及び実務能力を証明する資格です。
日商簿記は、年間約60万人もの人が受験している人気資格です。
それだけ実践的で企業に求められているともいえます。
簿記の資格には日商簿記と全商簿記の2種類がありますが、簿記の資格といえば一般的には日商簿記を指すことが多いです。
2級では、試験範囲に工業簿記がふくまれます。
商業簿記の基本的な知識を問われる３級から、ぐっと難易度があがるでしょう。
合格率は実施回によって大きく幅があり、おおむね20％前後です。
決して簡単に取れる資格ではありませんが、その分取得すれば自分の武器になります。
勉強期間の目安は簿記3級の保有者やすでに知識のある方なら約200時間（3ヶ月から4ヶ月）程度の学習が目安になります。
2-3. 秘書検定資格とは
秘書検定は、電話や来客対応のマナー・正しい敬語の使い方など、ビジネスマナーのスキルを証明する資格です。
「秘書」を目指す人のための資格と思われがちですが、「社会人としての一般常識やマナー」が身につき、人と接するすべての仕事において実際に活かせるスキルです。
1級、準1級、2級、3級の4段階あり、準1級以上は面接試験があります。就職面接の練習のために受験する人も多いです。
準1級の合格率はおよそ40%です。2級合格率は50％台くらいなので、2級にくらべ難易度が上がっているといえます。
準1級以上の面接試験では、話す内容にくわえ、言葉遣いや立ち居振る舞いなどもチェックされるので、苦手意識のある方はとくに難しく感じるかもしれません。
勉強期間の目安は3か月から半年程度が目安となります。
学科試験は、択一式と記述式が半分ずつです。
文章を書くのが苦手な人、言葉遣いに自信がない人は長めの勉強期間を設定しましょう。
2-4. ビジネス文書検定
ビジネス文書検定はビジネスマナーに即した文章作成の能力を問う検定試験です。
企業や業界の専門知識や業界用語だけでなく、広く一般に通用するビジネス文書の基本を学ぶことができます。
分かりやすく正しい文書を書き表せることは、一般事務の仕事をするうえでも役立つでしょう。
2-5. 貿易実務検定や医療事務などの専門資格
これらの専門資格は、特定の分野での事務職を目指す場合に有利です。
貿易実務検定は国際取引に関する知識、医療事務は医療機関での事務作業に必要な専門知識を証明します。
3. 資格なしで事務職に転職するためのスキルや知識
特定の資格を持っていなくても、事務職へ転職することはできますが、業務をする上で必要になる基本的なスキルや知識があります。
最低限、PCの基本的な操作ができなければ転職後の業務で苦労することになるでしょう。
事前に事務職に求められる基本的なスキルについて理解しておきましょう。
3-1. 資格以外で求められるスキルや知識
事務職では、専門的な資格を持っていることも重要ですが、それだけではなく、チーム内での円滑なコミュニケーション、複数のタスクを同時に効率的に管理する能力、緊急時の優先順位付け、問題解決能力など、さまざまなソフトスキルが求められます。
また、新しい技術やソフトウェアを迅速に学ぶ能力も重要です。
3-2. 一般的な文書作成やPCスキル
現代の事務職では、マイクロソフトオフィス（Word、Excel、PowerPoint）などのオフィスソフトウェアを使いこなすことが基本とされています。
文書作成では、正しい文書のフォーマットを選ぶこと、効果的なレイアウトを理解すること、文法やスペルの誤りがないことが求められます。
Excelでは、基本的なデータ入力から、関数を用いた複雑な計算、グラフ作成などができるとより良いです。
これらのスキルは、オンラインコースやセミナー、実務経験を通して習得可能です。
3-3. データ入力や来客応対、電話対応のコミュニケーションスキル
事務職に求められるもう一つの重要な能力は、コミュニケーションスキルです。
正確なデータ入力能力は、日々の業務を効率的に行うために必要不可欠です。
また、来客や電話応対では、丁寧な対応が求められます。
顧客やクライアントからの問い合わせに対して、適切な情報を提供し、問題解決に導く能力は、事務職の中心的な役割の一つです。
3-4. 基本的なビジネスマナーとされるスキル
ビジネスマナーは、職場内外でのプロフェッショナルな振る舞いを指します。
これには、メールの正しい書き方、電話応対のマナー、会議での適切な発言方法などが含まれます。
これらのスキルは、職場での信頼関係を築く上で非常に重要であり、業務の効率化にも寄与します。
特にメールコミュニケーションでは、明確で簡潔な文書作成能力が求められます。
これらのマナーは、専門書やオンラインリソース、実際の職場経験を通じて学ぶことができます。
資格を持たない状態で事務職に転職する場合、これらの基本的なスキルや知識を前面に押し出し、自身の能力と潜在力をアピールすることが重要です。
経験を積みながら、必要に応じてさらに専門的なスキルや資格を取得していくことで、キャリアをさらに発展させることが可能です。
4. 事務職の仕事内容と求められる能力
事務職は、その職種によって求められる専門知識やスキルが異なり、業務の範囲も広いです。それぞれの職種において必要とされる能力を理解することは、転職活動において極めて重要です。
4-1. 一般事務と経理、秘書などの違い
- 一般事務は、書類の整理、データ入力、ファイリング、電話応対、来客対応など、オフィス運営における基本的なサポート業務を担います。
これらの業務は、オフィスの日常運営を滑らかにするために不可欠です。 - 経理職では、日々の会計業務、請求書の処理、給与計算、財務報告の作成など、財務に関する専門的な知識と技能が必要とされます。
会計ソフトウェアの操作能力も求められることが多いです。 - 秘書の仕事は、上司や経営者のスケジュール管理、会議の準備と調整、書類の準備、出張の手配などを含みます。
高度な組織力、コミュニケーション能力、が求められます。
